2012年11月14日水曜日

RG1


SAPのCINでは次の各種税務帳票がサポートされています。おそらく他のパッケージでも同様にこれらの税務帳票の作成をサポートしていると思います。

RG1: 日次在庫出納帳
RG23A Part I: 原材料用出納帳(数量)
RG23A Part II: 原材料用出納帳(金額)
RG23C Part I: 資産用出納帳(数量)
RG23C Part II: 資産用出納帳(金額)
PLA: 税金支払い用口座の出納帳
RT-12: タバコメーカー用の出納帳

機能としてはサポートしていますが、今現在(2012年)税務要件としてこれらのレポートについて決められたフォーマットに従って作成する必要はないようです。
上に挙げたレポートの中で今現在税務の帳票としてCBECからFormが提供されているものはPLAのみとなります。他の帳票についてはもともとFormが定義されていたと思いますが、現在は削除されているようです。
http://www.cbec.gov.in/excise/formidx.htm

ただし在庫の出納帳に関しては決められたフォーマットはないもののTHE CENTRAL EXCISE RULES, 1944のCHAPTER V, Rule53の要件に基づいて次の必要な項目を含めて、会社で作って保管するのがルールになっているようです。
http://www.cbec.gov.in/excise/cx-act/cxa-rules-idx.htm

在庫の名称
月初残高
生産した数量
入庫数量
出庫数量および金額
税率および金額
未払税額

最後にSAP上でRG1レポートを出力したい人のために、別途トランザクションの流れをまとめまましたので参照ください。




2012年11月9日金曜日

インドの数字の読み方と表記


インドでは数字の読み方と表記方法が特殊なので覚えておくと良いかもしれません。慣れるまで時間がかかりますが、日常会話でも多くの人が使っているので知っておくと便利です。

数字の1から10,000までは日本で習う英語と同じで、例えば10,000の場合は10 thousandとなります。
100,0001 lakh (ラック)と読みます。また表記は1,00,000となりカンマを打つ位置が微妙に異なります。
1,000,00010 lakh (ラック)10,00,000となります。
10,000,0001 crore (クロール)、表記は1,00,00,000です。
100,00010,000,000だけ特別に英語の表現が割り当てられているようです。

12,34,56,789Twelve crore thirty four lakh fifty six thousand seven hundred eighty nineと読みます。
百万ルピーをone million rupeeではなくten lack rupeeと言っている自分に気がついた時、インドで過ごした時間の長さを感じます。


(参考)
South Asian Numbering system
http://en.wikipedia.org/wiki/South_Asian_numbering_system

2012年11月5日月曜日

物品税 (Excise duty)


物品税は工場等で生産または製造される製品にかけられる税金で、工場から製品が出庫されるタイミングで課せられる税金です。Excise DutyとかCENVAT(センバット)とも呼ばれています。日本でタバコ会社や麦酒メーカーに課せられているタバコ税や酒税をイメージすると理解しやすいと思います。たばこ税や酒税と同様に工場で製造され出荷された製品に消費税とは別に課税されています。ただしインドの場合、原材料購入時に支払った物品税と販売したときに回収する物品税とを相殺して納税することができます。相殺して納税するのは日本の消費税の納税をイメージすれば分かり易いと思います。消費税は仮払消費税、仮受消費税として処理して定期的に納税処理を行っています。インドの会計処理としては原材料購入時に支払った税金をCENVATクレジット勘定に転記して納税のタイミングで相殺します。
税率は製品の品目別に定義されており、当局より製品の種類を表すChapter ID、Chapter ID別の税率が決定されています。税率は毎年のようにインドの景気動向等国内事情に応じて変更されており、税率が有効になる1日前に、明日から税率が14.0%から16.0%に変更になりますと展開されているようです。業務をシステムでサポートしている場合は、即日税率変更の対応をする必要があります。日本の常識では信じられませんが本当の話です。

リンク


1. Central Board of Excise And Customs, http://www.cbec.gov.in/cae1-english.htm,
各種帳票などのフォームを確認することができます。

2. Eximkey.com, http://www.eximkey.com/excisenew.asp?Section=10
関連する法律等の更新情報の検索に便利です。

3.EximGuru, http://www.eximguru.com/
インド輸出入に関する無料情報提供サイト。Chapter ID別の税率確認が可能。

はじめに

インドプロジェクトに少しでも関わったことがある人ならば理解してもらえると思いますが、インドの要件(特に税務関連)を確認していくとウンザリさせられることが多いです。本当にこんな細かいレベルの管理をして実運用に耐えられるのかとか、システム化に耐え得る内容なのかと疑問に思う内容が次から次へと出てきます。筆者の個人的な印象ですが、インドの税務ルールはシステム化を想定したルールにはなっていません。全てシステムがない場合の紙ベースの業務が想定されていると考えると比較的理解しやすいかもしれません。簡単な例ではシステムで出力した税務帳票にマニュアルのサインが求められています。物理的なサインが本当に簡略化できないのかについて正確なところは分かりませんが、インド人担当者に確認するとサインは必須だと言われます。何百枚と力した書類に責任者がサインをしています。日本の業務においても、印鑑を押して見積書や請求書を出したり稟議書を回していることを考えるとそんなに驚くことではないかもしれませんが、システム導入の観点から見ると何とかならないものかと思ってしまいます。煩雑な税務の要件は今後なくなっていく方向にあるとは思いますが、実際のところはどうなのでしょうか。既得権益の温床である税務業務でそう簡単に効率化するとも考えられないので、今あるインドの要件に対応してシステムを構築したほう現実的な気もします。間接税の簡素化一本化でGST (Goods and Service Tax)の導入されようとしているようですが、反対意見も多く導入時期が延期されているそうです。

 このサイトはインド業務をサポートするシステム導入のプロジェクトにおいて、システム導入担当者が事前に前提知識として知っておくとプロジェクト遂行上助かりそうなこと、インドユーザとの要件確認の場で日本国内の経験では考えられないような話が出てきたときに理解できず慌てることがないよう知っていたほうが良さそうなことについて筆者の独断と偏見でまとめています。筆者は税務の専門家でも法律の専門家でもないので税務上の詳細要件や、法律上の問題等については他のサイト、本または専門家にゆずるとして、ここでは筆者がインドプロジェクトを通して調査しまとめた内容を、更新の順序、内容の重複は特に考慮せずアップしています。将来時間があればアップした内容について整理したいと思っていますので何卒ご了承ください。


2012年11月4日日曜日

SAP販売トランザクション

購買プロセス同様、販売側もExcise Dutyに関するトランザクションの入力が必要となります。



[インド]2万ルピー(値引き2千ルピー)の製品を販売した場合の例
  Dr. 売掛金                      Rs 28,060
    Dr. 売上値引                   Rs 2,000
    Cr. 売上               Rs 22,000
    Cr. 仮受消費税                   Rs 3,660
    Cr. 仮受 Excise duty (1)       Rs 4,000
    Cr. 仮受 Excise duty (2)       Rs 400


SAP購買トランザクション


インドの設定と日本の設定でSAP上のトランザクションの流れが異なります。インド設定の場合はExcise Dutyに関するトランザクションの入力が必要です。



仮勘定を除いて仕訳をまとめると日本の場合、インドの場合それぞれ次のようになります。

[日本]1万円の部品を購入した場合の例

  Dr. 部品・材料    JPY 10,000
  Dr. 仮払消費税       JPY 500
   Cr. 買掛金             JPY 10,500



[インド]1万ルピーの部品を購入した場合の例
  Dr. 部品・材料             Rs 10,000
  Dr. 仮払Excise duty (1) Rs 2,000*
  Dr. 仮払Excise duty (2) Rs 200*
  Dr. 仮払VAT・CST    Rs 1,830*
   Cr. 買掛金         Rs 14,030
*この例ではExcise duty (1) の税率を20%、Excise duty (2)の税率を2%、VATの税率を15%として計算しています。

ECC番号 (Excise Control Code Number)


インドのインボイスに記載されているECC番号について説明します。
ECC番号は物品税(Excise Duty)の納税者に発行される登記番号で、Cenvatインボイスの発行者を特定する番号となります。法人が複数の工場を持つ場合は、複数の登記が必要でそれぞれに番号がふられます。

[番号の体系]
初めの10桁:PAN (Permanent Account Number)をベースにした10ケタ
次の2桁:XMXD2桁のコード
 XMCentral Excise メーカー(登記される倉庫も含む)
 XD:登記されるディーラー
残りの3桁:001からの連番3桁。共通PANの元に複数の工場/倉庫/ディーラーがある場は001002003となります。


1) 法人が一つの工場を持つ場合
ECC番号は、PAN”XM””001”となります。
もしPAN”ABCDEF1111G”の場合は、ECC番号は ABCDEF1111GXM001”となります。
2) 法人が3つの工場を持つ場合
ECC番号は ABCDEF1111GXM001” ABCDEF1111GXM002” ABCDEF1111GXM003”となります。
3) 法人が工場をもちかつディーラーとして登録を行う場合
工場のECC番号は ABCDEF1111GXM001”となり、ディーラーは ABCDEF1111GXD001”となります。